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診療報酬改定2022年度(令和4年度)・湿布薬の上限63枚・リフィル処方箋の採用

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2022年度の診療報酬改定の概要が固まり、2月9日の中医協から発表されました。

改定開始の4月まで2ヶ月を切り、変更になる点数も発表されています。

 第516回総会資料(PDF:11.7MB)

この記事では外来処方に関わる改定について解説したいと思います。

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この記事は
病院の経営層、医事課、薬剤師など病院運営に関わる方に向けた記事です。

これまでは湿布薬の1回あたりの処方枚数は70枚となっていましたが、今回63枚に減ってしまいます。

一方で、処方箋が複数回使用できるリフィル処方箋の導入が始まります。

最後まで読んでいただけると幸いです。

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今回は処方箋の話です。

目次

湿布薬の上限枚数を更に制限・70枚が63枚に削減

第1
基本的な考え方
薬剤給付の適正化の観点から、湿布薬を処方する場合に、処方箋等に理由を記載することなく処方ができる枚数の上限を見直す。

第2
具体的な内容
医師が医学的必要性を認めた場合を除き、外来患者に対して、保険給付の範囲内で処方できる湿布薬の上限枚数を、1 処方につき70枚までから63枚までに変更する。

出典:第516回中央社会保険医療協議会総会(個別改定項目について)

厚生労働省は湿布薬を健康保険から外したがっています。

出典:第516回中央社会保険医療協議会総会(個別改定項目について)

湿布薬の処方枚数の制限は2016年の改定から70枚を限度として始まりました。

それから8年後、さらに処方枚数が制限されることになります。

70枚であった上限が63枚になります。

モーラステープ、ロキソニンテープなど多くの湿布は1パック7枚になっているので、実質1パックの減少となります。

但し「やむを得ず63枚を超えて・・」という文言がありますが、上限を超えて投与することは通常は認められません。

多くの湿布薬は1パック7枚入りです。

湿布薬の都道府県別・処方状況

下のグラフは中医協の資料です。

2015年と2017年において70枚を超えて処方された処方せんを都道府県別にしたものです。

すべての都道府県において2015年より2017年のほうが顕著に下がっています。

出典:中医協資料 平成29年11月1日

出典:中医協 平成29年11月1日 

これは2016年の診療報酬改定で処方枚数が70枚に制限されたことによるものです。

例外的に奈良県と山口県においては2015年の70枚超え処方がすでにほとんどないことがわかります。

両県において、すでに2015年の時点でレセプト審査で70枚超の処方が査定対象になって減点されていたことがわかります。

都道府県によって審査が異なっていることの表れです。

査定対象になり、減点された場合、処方せんを発行した医療機関が減点を受けることになるので強制力がある制限になっています。

全身に痛みがあり、多くの湿布薬が必要であっても、肩だけに湿布薬が必要な場合でも上限は63枚となります。

矛盾を感じる規定ですが、厚労省としては湿布薬やビタミン剤は健康保険から外すことを目論んでいるので、病状は考慮しないという意思の表れです。

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リフィル処方箋は3回まで

第1
基本的な考え方
症状が安定している患者について、医師の処方により、医師及び薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処 方箋を反復利用できるリフィル処方箋の仕組みを設ける。

第2
具体的な内容
リフィル処方箋について、具体的な取扱いを明確にするとともに、処方箋様式をリフィル処方箋に対応可能な様式に変更する。

出典:第516回中央社会保険医療協議会総会(個別改定項目について)

 まずは、あまり聞き慣れていない「リフィル」の意味を調べてみます。

リフィル
リフィルまたはレフィル(英: refill)は、詰め替え用品のこと。従来はボールペンの替え芯、ルーズリーフやシステム手帳の用紙など、主に文房具のみを指すこともあった。
環境問題(廃棄物削減・石油資源浪費防止)の観点から、他分野の商品でも普及してきている(業務用のみならず、一般の消費者用として)。単純に、「中身入りの本体」に比べ、安価で購入できるという消費者側の利点もある。 医療の分野でリフィルと言う言葉としてリフィル処方箋がある。

出典:Wikipedia

リフィル処方箋は原則として症状が安定している患者に対して適用され、同じ処方箋を3回まで利用できると言う仕組みです。

これまでの処方箋は原則1回のみの使用となっていました。

医療者側・患者の双方が慣れるまでにそれなりに時間がかかるような気がします。

もしかしたら、普及しないかもしれません。

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主なポイント

  • 医師と薬剤師が適切に連携していること
  • 患者の状態が安定していること
  • 使用回数の上限は3回まで
  • 処方箋様式がリフィル処方箋に対応した様式になる
  • 投薬量に限度が定められている医薬品及び湿布薬については、リフィル処方箋による投薬を行うことはできない
  • 2回目以降の調剤については、原則として、前回の調剤日を起点とし、当該調剤に係る投薬期間を経過する日を次回調剤予定日とし、その前後7日以内とする。
  • これまで処方日数が30日以上の投薬の場合、処方箋料が6割減算となるが、1回当たり29日以内の投薬であれば、減算されない

先ほど、湿布薬の制限されていることを示しましたが、リフィル処方箋の利用はできないと示されています。

まとめ

今回は湿布薬の処方枚数とリフィル処方箋について書きました。

湿布薬の上限枚数は、8年ぶりに更に減らされてしまいました。

リフィル処方箋という新しい仕組みで患者さんにとっては利便性が上がった側面もあります。

国の医療費削減の方向性に沿った改定が進められていますが、医療費高騰の本質は別のところにあるのにあまり取り上げられません。

また別の記事で取り上げたいと思いますが、医療費高騰の一番大きな要因は高齢化でも少子化でもなく、高度な医薬品の高騰です。

本質的な議論を進めて持続継続可能な国民皆保険制度を継続していただきたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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