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診療報酬改定2022年度(令和4年度)の短冊・看護必要度「心電図モニター管理」削減・平均4.2ポイント減少!?

この記事は病院の診療報酬改定に関わっている管理者や医事を担当されている方に向けた記事です。

2022年2月2日の中央社会保険医療協議会(以下:中医協)で個別改定項目(その3)【通称:短冊】が発表されました。

2022年2月2日の中央社会保険医療協議会

今回も495ページにおよぶ分量です。いつものことですが、一通り目を通すだけで数時間は使ってしまいます。

まだ点数は発表されていませんが、毎回最も注目される「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」の基準が発表されました。

大きな変更点は次の通りです。

\変更のポイント/

  • 急性期1において許可病床数が「200床以上の病院」と「200床未満の病院」では異なる基準が設けられた
  • 心電図モニターの管理」は削除

ぜひ、最後までお読みください。

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目次

地域医療計画と看護必要度

看護必要度は国が進める地域医療計画と密接に関わってきます。

前提として国の基本姿勢は急性期病床の削減です。

看護基準7対1の病棟の看護必要度を厳格化することで急性期病床削減を目論んでいるので、急性期一般入院料1(7対1看護)の病床に対する基準は毎回厳しくなってきます。

地域医療計画・厚生労働省
全日本病院協会・地域医療構想

国や厚生労働省は、とにかく急性期病床を削減することに主眼をおいています。

評価項目の変更・心電図モニターの削除・除外注射薬

看護必要度はA項目、B項目、C項目の3つに分かれていますが、今回の変更はA項目だけ変更されます。

中医協の基本的な考え方は次の通りです。


基本的な考え方
急性期入院医療の必要性に応じた適切な評価を行う観点から、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について、必要度の判定に係る評価項目を見直すとともに、入院料について評価の在り方を見直す。


もっともらしい文言が書かれていますが、目的は急性期病床(7対1看護)の削減です。

この考え方を元にA項目の次の評価項目に対して変更が加えられます。

  1. 「点滴ライン同時3本以上の管理」の項目について、「注射薬剤3種類以上の管理」に変更する。
  2. 「心電図モニターの管理」の項目に ついて、評価項目から削除する。
  3. 「輸血や血液製剤の管理」の項目の評価について、1点から2点に変更する。

これまでの議論の指摘

「1」・・・薬剤を2種類しか使用していないのに評価されている患者がいることは不自然。
「2」・・・退院日まで心電図モニターを装着している患者がいることは不自然。
「3」・・・医療者側からの実態に合わせて評価をもっとすべき。

これらの議論を受けて中医協では評価項目の変更を提案しています。

除外注射薬

「注射薬剤3種類以上の管理」の対象とならない薬剤は中医協から示されていました。

補液、化学療法薬、輸血などは対象外となっていました。

化学療法薬や輸血製剤は他で評価されるので外されたことが推測できます。

これまで、看護必要度を上げるために心電図モニターをつけていたケースが散見されたようですが、今後は点滴の中の薬剤が増えるかもしれません。

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200床以上は重症度、医療・看護必要度Ⅱが要件化

これまで急性期一般入院料1(看護基準7対1)を算定する400床以上の病院については看護必要度Ⅱしか選択できない状態になっていましたが、2022年4月以降は許可病床数が引き下げられて200床以上の病院も看護必要度Ⅱへの移行が必須要件になってきます。

200床以上の病院で看護必要度Ⅰで評価しているところは経過措置の間に看護必要度Ⅱへの移行を検討しなければなりません。

いずれにせよ、遠くない将来、「Ⅰ」が廃止される恐れがあるので、「Ⅰ」を選択している病院は病床数に関わらず、「Ⅱ」への以降を検討する必要があるでしょう。

患者割合の基準の見直し・数値は下がる

看護必要度の割合は、これまで通り入院料ごとに区分されています。

まずは200床以上の病院です。

値だけ見れば200床以上の病院は一見大きな変化は見られませんが、実態は「心電図モニターの管理」が評価対象から外れているので、影響は決して小さくありません。

入院料6は看護必要度が問われなくなったので、病院側の管理が容易になります。

ただ入院料6を算定している病院はあまり多くないとは思いますが・・

改定案現行
看護
必要度Ⅰ
看護
必要度Ⅱ
看護
必要度Ⅰ
看護
必要度Ⅱ
入院料131%28%31%29%
入院料227%24%28%26%
入院料324%21%25%23%
入院料420%17%22%20%
入院料517%14%20%18%
入院料618%15%
許可病床数200床以上の病院

 

これまでも「急性期2」以下の病床は許可病床数200床で区分けされていましたが、今回からは「急性期1」も200床で区切られることになりました。

比較的、規模の小さな200床未満の病院は低い値でも良いとされています。

改定案現行
看護
必要度Ⅰ
看護
必要度Ⅱ
看護
必要度Ⅰ
看護
必要度Ⅱ
入院料128%25%31%29%
入院料225%22%26%24%
入院料322%19%23%21%
入院料418%15%20%18%
許可病床数200床未満の病院

 

200床以上で入院料1を算定する病院にとっては非常に厳しい基準値となりました。

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経過措置はいつも通り6ヶ月

看護必要度の変更は診療報酬改定ごとに実施されています。

この変更は病院の収入に大きく関わることから、2022年4月から9月までの6ヶ月間は経過措置が設けられています。


[経過措置]
令和4年3月31 日において現に次に掲げる入院料等に係る届出を行っている病棟又は病室については、令和4年9月30 日までの間に限り、それぞれ当該入院料等に係る重症度、医療・看護必要度の基準を満たすものとみなす。


「心電図モニター管理」を除いたシミュレーションは4.2%ポイント下落

病院向けの経営支援システムを業務展開している会社(メディカル・データ・ビジョン株式会社)がシミュレーションを発表していました。

この会社は「データ提出加算」で作成されるデータから経営分析などのサービスを展開しています。

データ提出加算の対象データの一つであるHファイルを元に今回削除される「心電図モニターの管理」を除外した看護必要度をシミュレーションしています。

結果は、平均で約4.2%ポイントの下落が見られました。

また最大8.89%ポイントの下落、最小で0.03%ポイントの下落が見られましたが、かなりバラツキのある結果となりました。

出典:MDV(メディカル・データ・ビジョン株式会社)

但し、このシミュレーションは新しい基準の「注射薬剤3種類以上」が反映されていませんので、実際にはこの数値よりはよくなると考えられます。

私の病院で、行ったシミュレーションでは約3%ポイントの下落でした。

3%はかなり大きな下落なので、病床数が200床を境に明暗が分かれるところも多くなってくると考えられます。

シミュレーションは電子カルテメーカーなどの対応が待たれますが、対応の遅いメーカーもあるので、自力でシミュレーションをやっておくことが、望ましいでしょう。

特に数値に余裕のないところは急がれます。

区分の変更は病院経営の最も中心議題となり、人員配置にも大きく影響を及ぼします。

看護基準を守るために病床数を減らした方が良いケースも出てくるでしょう。

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注射薬剤3種類以上の効果

さて、いよいよ4月に突入しましたが、あなた病院での必要度はどうなりましたか?

私の働く病院は200床未満・必要度2で急性期1を届出ています。

よって基準は25%以上の値が必要となりました。

4月も半分が終わったので値と見たところ、これまでより余裕のある値が出てきました。

これは「注射薬3種類以上」の基準が加わった効果ではないかと考えています。

厚労省は改定ごとに急性期1の厳格化を進めていますが、すべての病院において厳しくなるわけではないことが実感できます。

これまで、必要度の値を上げるために心電図モニターを取り付ける方策を取ってきた病院もあったかと思いますが、今後は注射薬剤の種類数がポイントになるのではないでしょうか。

まとめ

2022年度診療報酬改定の「重症度、医療・看護必要度」の評価項目、基準値が発表されました。

看護必要度は地域医療計画と密接に関わっているので決して甘く基準変更されるものではありません。

特に200床以上の病院で入院料1(看護基準7対1)を算定している病院には大きな影響があるものと考えられます。

逆に200床未満の病院は基準が25%のなるので、基準を満たす病院が多くなるのではないでしょうか。

各病院はこれから、シミュレーションを進めていくことになりますが、入院料の基準を下げる判断をせざるを得ない病院は、医療の質を下げることになるかもしれません。

民間会社のシミュレーションでは平均4.2%ポイント下落する結果が出ました。

毎回、感じることですが、診療報酬改定に振り回されて本来必要とされる医療ができなくなる恐れが出てくることに憂いを感じます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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