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様式9・夜勤72時間ルールを解説|超過するなら、まず設定時間の見直し!

病院の施設基準を管理する上で、重要な書類が様式9です。

この記事では様式9の中でも少しルールが複雑な「月平均夜勤時間数」、いわゆる「夜勤72時間ルール」について解説します。

\この記事に内容/

  • 連続した16時間の夜勤時間は病院独自で決められる
  • 設定した時間によっては平均夜勤時間は変わる
  • 夜勤者に当たる職員は基本料によって違う
  • 特定入院料と療養病棟は夜勤72時間ルールの適用外

ルールをしっかり理解しておくことで、うまく工夫すれば基準を守ることも可能です。

厚生局の適時調査は必ずやってきます。

夜勤72時間問題に悩んでいる方や理解を深めたい担当職員の方はぜひご覧ください。

様式9【看護基準の計算方法】|7対1や地域包括ケア病棟でも同じ計算方法

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目次

夜勤時間の定義

夜勤時間というのは一定のルールのもとに医療機関の裁量で設定できる時間です。

夜勤時間は次の3つのルールを念頭において設定します。

  • 22時と翌日の朝5時を含む時間帯であること
  • 連続した16時間であること
  • 病院が独自に時間帯を定める

この夜勤時間を除いた時間が日勤時間(8時間)となります。

間違いやすいケースとしては泊まり勤務(当直)の時間帯を夜勤時間と考えてしまうこともあるようですが、当直勤務の時間と様式9の夜勤時間帯は違う時間帯でも問題ありません。

夜勤時間のシミュレーション

前述したとおり、夜勤時間は一定のルールに基いて医療機関ごとに設定が可能です。

設定した時間によっては72時間を超えてしまうこともあり、設定時間は施設基準を守る上でも重要な要因となり得ます。

ある病院の様式9をもとに、夜勤時間を変更することで「月平均夜勤時間」の変化をみてみました。

スクロールできます
夜勤時間
連続した16時間
月平均夜勤時間基準のクリア
17:00~9:0077.0時間
17:30~9:3067.3時間
18:00~10:0070.7時間
18:30~10:3075.5時間
夜勤時間帯ごとの月平均夜勤時間のシミュレーション

このシミュレーションの場合、一番少なく抑えられた時間帯は、17:30~9:30の時間帯になりました。

病院の勤務体系ごとに結果は変わってくるとは思いますが、もし72時間を超えそうならまずは設定時間を見直すことで基準をクリアできるかもしれません。

夜勤時間の計算方法

夜勤時間の計算方法は次の式によって求められます。

ただし、上記の計算式には病棟で勤務するすべての職員が含まれるわけではありません。

夜勤従事者から除外される人員を除いて、この計算式に入れて計算します。

夜勤者従事者から除外される職員は次の通りです。

①全ての病棟 夜勤専従者専ら夜勤時間帯に従事する者
②急性期一般入院料のうち7対1と10 対1を算定する病棟月夜勤時間数が16 時間未満 及び短時間正職員で月夜勤時間数が 12時間未満
③地域一般入院料、②以外の急性期一般入院料、その他の入院基本料病棟夜勤時間数が8時間未満
夜勤従事者から除外される人員

少しわかりにくいかもしれませんが、急性期一般病棟(7対1と10対1)は夜勤時間が16時間以上で夜勤者としてみなされ、それ以外の比較的、看護配置の少ない病棟は8時間以上で夜勤者とみなすという意味です。

なぜ16時間と8時間に分けられているのかを考えると、13対1や15対1の看護配置の少ない病棟で16時間以上を夜勤者とみなすと72時間の壁が比較的容易に超えてしまいます。

そのために看護配置の少ない病棟では8時間以上を夜勤者とみなすルールが設定されていると考えられます。

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夜勤72時間ルールの適用病棟種別

実は夜勤72時間ルールはすべての入院料で守らないといけないわけではありません。

対象となる病棟は「入院基本料」を届け出ている病棟であり、逆に対象とならない病棟は「特定入院料」を届けている病棟です。

特定入院料を届け出ている病棟については夜勤72時間ルールを逸脱しても施設基準上は全く問題ありません。

入院基本料のうち、療養病棟入院基本料だけは特例的に72時間ルールの適用外です。

入院基本料と特定入院料を一覧にしてみました。

入院基本料(夜勤72時間ルール適用)特定入院料(夜勤72時間ルール適用外)
A100 一般病棟入院基本料
A101 療養病棟入院基本料(例外:適用外)
A102 結核病棟入院基本料
A103 精神病棟入院基本料
A104 特定機能病院入院基本料
A105 専門病院入院基本料
A106 障害者施設等入院基本料
A108 有床診療所入院基本料
A109 有床診療所療養病床入院基本料
A300 救命救急入院料
A301 特定集中治療室管理料
A301-2 ハイケアユニット入院医療管理料
A301-3 脳卒中ケアユニット入院医療管理料
A301-4 小児特定集中治療室管理料
A302 新生児特定集中治療室管理料
A303 総合周産期特定集中治療室管理料
A303-2 新生児治療回復室入院医療管理料
A305 一類感染症患者入院医療管理料
A306 特殊疾患入院医療管理料
A307 小児入院医療管理料
A308 回復期リハビリテーション病棟入院料
A308-3 地域包括ケア病棟入院料
A309 特殊疾患病棟入院料
A310 緩和ケア病棟入院料
A311 精神科救急急性期医療入院料
A311-2 精神科急性期治療病棟入院料
A311-3 精神科救急・合併症入院料
A311-4 児童・思春期精神科入院医療管理料
A312 精神療養病棟入院料
A314 認知症治療病棟入院料
A317 特定一般病棟入院料
A318 地域移行機能強化病棟入院料
A319 特定機能病院リハビリテーション病棟入院料
入院料別72時間ルールの適否

様式9【看護基準の計算方法】|7対1や地域包括ケア病棟でも同じ計算方法

夜勤72時間を超えると減算の恐れ

72 時間を超過した場合、暦月で3カ月以内の1割以内(79.2 時間以内)の変動であれば、許容変動幅として認められるため、届出の変更は必要ありません。

すなわち2か月以内かつ79.2時間以内であれば、通常通りの算定・保険請求が可能です。

しかし、一か月でも72 時間の1割を超過(79.2時間超)してしまった場合は「月平均夜勤時間超過減算」又は「 夜勤時間特別入院基本料」を届け出る必要があります。

「月平均夜勤時間超過減算」を届け出た場合は入院基本料の基本点数が15%減額されるほか、算定できる入院基本料等加算に制限があります。

また、「月平均夜勤時間超過減算」は、3カ月を限度に算定するもので1年間は再算定できません。

一方 、「 夜勤時間特別入院基本料 」は 30%減額されるほか算定できる入院基本料等加算に制限がありますが、算定期間の制限や再算定禁止の規定がありません。

とにかく72時間を超えてしまうと非常に面倒なので、極力超えないような勤務体制を組んでおきたいものです。

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夜勤72時間を超えやすい病棟

では72時間を超えやすい病棟について解説します。

72時間を超えやすいパターン

  • 一日の当直人数が多い病棟
  • 看護配置が少ない看護基準を届けて出ている病棟
  • 病床数が少ない病棟

この3つに当てはまる病棟は夜勤72時間を超過しやすい病棟です。

「当直人数が多い病棟」は全体の夜勤時間が増えてしまうので計算式の分子の時間数が増えてしまいます。

「看護配置の少ない看護基準」は、例えば15対1の病棟で3人夜勤体制の病棟では全体の看護職員の勤務時間が少ないのに夜勤時間だけが一定時間あるという状態になります。これも平均時間が上昇します。

「病床数が少ない」病棟ですが、ほとんどの病棟区分で当直人数は二人と決められています。二人の当直体制は必須でありながら、日勤に必要な時間数が少なくなり、夜勤従事者が相対的に増えてしまい、72時間を超えやすい環境になります。

まとめ

夜勤72時間ルールの仕組みや対応策を解説しました。

様式9の中では比較的小さな項目かもしれませんが、72時間を超えてしまうと面倒な手続きや収益減少につながってしまいます。

収益面では最悪の場合、特別入院基本料の算定になることがあります。

夜勤時間は病院独自で決められるので、極力少ない時間になるようにシミュレーションして設定しておきましょう。

言うまでもなく、適時調査は定期的にやってきます。

その時になってからでは遅いので普段から基準を守れるよう定期的に確認しておくことが必要で、守れるよう工夫しておきましょう。

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