業者に依頼せず、お客さんを入れてWEB配信(ハイブリッド配信)をする際に通常の集音マイクでは雑音が入ります。雑音が入らないようにするための最小のシステム構成を紹介。
医療の世界は日進月歩で進んでおり、新しい情報がどんどん出てきます。
これまで集合して行っていたセミナーも、当たり前のようにWEB配信のセミナーが開催されています。
あなたはWEBセミナーは業者しかできないと思っていませんか?
実は業者のような専門的な知識がなくても、十分できるんです!
しかも、いつも使っているパソコンやビデオカメラを使えば、5万円程度で配信が可能な設備がそろいます
私が使ったWEBミキサー”YAMAHA AG03”を使うと素人でも高品質のWEB配信ができます。
ちなみにこの商品、売り切れがちょくちょく出てきています。
私が購入したところは売り切れていました。やはり良い商品は需要がありますね。
自前でハイブリッドWEBセミナーを開催できる最小限のシステム構成です。
感染状況を鑑みた開催
最近はかなりマシになってきましたが、たくさんの人を集める企画そのものが罪とされる時期がありました。特に医療業界は他の業界より厳しく意識が高い業界です。
新型コロナウイルス感染症の拡大で、研究会や学会もZOOM、Webex Meetings、Microsoft Teamsなどを使ってWEBで開催されることが多くなっています。
前提として一般の方と比べるとワクチン接種はかなり進んでいると考えたられるので感染するリスクはかなり低いはずですが、100%感染を防げるわけではありませんが、クラスターにならないとも限りません。
大きな学会では、専門業者さんが入ってWEB配信を行っているようですが、費用が相当かかります。
噂によると、安くても30万円。
高い場合は200万円とか300万円またはそれ以上かかるようです。
特に地方の小さな研究会には、WEB配信のために、数十万円かける予算はありません。
WEB配信にお金にかけられず、人を集めることを躊躇する研究会は、まだまだ開催を諦めているところが多いようです。
素人だけでWEB配信
私の働いている病院では小さな研究会の事務局を担っています。とてもじゃないですが、通常の費用の他にWEB配信に80万円をかける予算はありません。
しかし、医療者は勉強熱心な方が多いので、なんとか開催できる方法を考えてきました。
・・・業者に頼らず、自分たちでWEB配信をすれば良いだけのこと・・!
開催方法は配信会場で講師が話し、観客の数を限定した上で会場に人を集めて講演し、その様子をZOOMで閲覧できるシステムを目指すことにしました。
観客を入れずに講師、演者の話を配信するなら、あまり難しくありません。普通のWEB会議と同じです。
これが配信会場参加とWEB参加の「ハイブリッド研究会」です。
実は去年も、この考え方で開催しました。
去年は「パソコン+WEBカメラ+高性能集音マイク」で開催しました。
ハウリング対策に少し苦労しましたが、これでも出来なくはありませんでした。
マイクで音声を拾う場合、配信会場の大きさにもよりますが、雑音を拾ってしまうことがあります。
実は、この雑音を拾わない方法に苦労しました。
集音マイクで音声を拾うとどうしても雑音を拾ってしまいます。
配信機器の構成
今回、新たに音響設備にかかったコストは5万円くらい!
80万円よりかなり安いです。それに次回からは、壊れなければ、機器コストはかかりません。
ちなみにパソコンやビデオカメラはもともと使用していたものを使っているので、計算には入れていません。
今回、追加で購入したのは、キャプチャーボード、ウェブキャスティングミキサー、アナログミキサー、ダイナミックマイク・各種音声ケーブルです。
この中で特に慎重に選んだのは「ウェブキャスティングミキサー」と「アナログミキサー」です。
実は音響好きの上司に選んでもらいました。
配信会場でのマイクが1本で済むならアナログミキサーは不要ですが、こういった研究会では①演者用・②司会者用・③質問者用と3本が最低本数です。
- WEBカメラ付ノートパソコン 3台
- 数万円ビデオカメラ 1台 数万円
- キャプチャーボード 1台 5000円程度
- ウェブキャスティングミキサー 1台
- アナログミキサー 1台
- ダイナミックマイク 3本
- 各種ケーブル
マイクの本数がもっと必要だとか、ワイヤレスマイクが必要だとかになると、もっとコストが増えてきます。ワイヤレスマイクが追加の場合はあと5万円程度は必要になります。
図を説明するとウェブキャスティングミキサーから出た音声出力ケーブルを配信会場のアンプの外部入力に差し込むと、配信会場ではアンプで増幅された音声が流れ、WEB視聴者には雑音のない綺麗な音声が配信されます。
このシステム構成だと雑音を拾うことはありませんが、逆にマイクで話さないと音声が配信できません。長所と短所は表裏一体です。
あまり安すぎるマイクを購入すると音質が下がってしまうのでお勧めしません。高級とまではいかないまでもそこそこのマイクが良いと思います。
ここで紹介しているミキサーとマイクを接続するためには下のようなケーブルが必要です。長さは会場に合わせたものが良いと思いますが、接続コネクターはいくつかの種類があるので十分に注意してください。
2台のミキサーを接続したり、ミキサーをアンプと接続するためのケーブルです。
特にアンプと接続するケーブルは形状をよく確認してから購入しましょう。
接続対象の機器によって合う形状は複数あります。
アンプとの接続は配信会場のアンプの接続の形によるので慎重に選ぶ必要です。
一方で、弱点として配信会場でマイクを通さずに話をするとWEBにはほとんど配信されません。
この弱点と雑音を拾わない環境は表裏一体です。
もうひとつ気をつけておく必要がある点があります。
WEB配信しているのでネット環境の安定が必須です。今回、WIFI環境で配信したので、時折、配信がうまくいかず、特に音声が不安定になってしまいました。
可能であれば有線LANでの配信が望ましいと思います。
まとめ
素人ながら、苦労して、WEB配信の機器構築ができましたが、集音マイクでの音声配信より、ずっと綺麗な音声が流れます。
集音マイクで音声配信した方が、安価で簡単に構築できますが、音質はが悪くなってしまうことがあります。
長時間受講することが想定されるWEB受講にとって綺麗な音声はとても重要です。
このシステムは学会や研究会でなく、他の場面でも応用できます。
使い方は人それぞれ・・。
少しマニアックかもしれませんが、利用シーンがある方は参考にしてみてください。
配信用のカメラを探しているかたはこちらの記事もご覧ください。
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