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【病院の内視鏡検査代は高いのか?】検査機器の購入費用も紹介|大腸カメラ|胃カメラ|小腸カメラ|気管支カメラ

あなたは病院の検査代が高いと思っていませんか?

私は医療機関で20年以上、事務職として働いているので、そう感じる方が多くいることは実感しています。

病院の検査って高く感じますよね。
でも高いには理由があるんです。

今回は内視鏡検査(カメラ)について解説したいと思います。

前提として健康保険で実施する検査はすべて厚生労働省が決めているので医療機関が独自に決められるものではありません。

厚生労働省が決めた基準の中で、その基準を満たした医療機関が健康保険を適用して検査をすることができるのです。

一方で、健康診断や人間ドックは医療機関が独自に価格設定することができます。それが健康保険(保険診療)との大きな違いです。

病院関係者でないと知らない情報なので、ぜひ最後までご覧ください。

関連記事:【人間ドックの選び方】検査の種類・がん検診・Tポイントも付与

 

健康保険適用での検査費用

  • 胃カメラ  11,400円
  • 大腸カメラ  9,000~15,500円
  • 小腸カメラ  25,000円
  • 気管支カメラ  68,000円

※上記の値段は手技料のみです。この費用に病理検査や検査薬剤等が追加されます。
※上記の金額に健康保険の負担割合(1割~3割)をかけた金額が支払額(窓口負担金)です。

目次

病院は儲かるのか?・病院の利益率

令和3年(2021年)に厚生労働省が実施した医療経済実態調査(医療機関等調査)によると民間一般病院の経常利益率は、わずか0.4%でした。

この年は特に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて患者数が大幅に減少したことと感染対策への費用が増大したことが大きく影響、とても低い利益率になっています。

一部のマスコミではコロナ補助金でバブルになっていると言われていますが、コロナ補助金込みで経常利益率でみると、2.3%です。

あわせて読みたい
医療経済実態調査(医療機関等調査)│厚生労働省 医療経済実態調査(医療機関等調査)について紹介しています。

すごく儲かっている病院もあれば、大きな赤字を生み出している病院もあります。

コロナ補助金を加えても平均すれば2.3%ということです。

しかもこれは公立病院を除いた割合です。

一般的に公立病院というのは不採算部門でも地域医療のために赤字事業でもやっていかなければならない使命をもっているため経営状態は悪くなりがちです。

また民間病院と比べると経営に対する危機意識が乏しいことで赤字を生み出しやすい体質になっています。

一方で民間企業の利益率の平均が4%程度と言われていますので、病院はあまり儲からない業態と言えるでしょう。

病院が儲かるところだと思っている人は結構多いです。
真面目に医療を提供するところほど儲かりにくいのかもしれません。

  

なぜ検査は高いのか?

本題に戻りますが、なぜ患者さんが検査費用を高く感じるのかというと、検査点数が高いからです。

検査点数は厚生労働省が検査機器の市場価格などを参考に全国一律で決めています。

ではなぜ検査点数が高いのか。要するに検査機器や機器を維持する費用が高いのです。

ここからは検査点数と検査機器の値段についてみていきます。

ここで紹介する金額はあくまでも概算だとご承知ください。

実際には検査薬や細胞の検査(病理検査)などを一緒にやることが多いのでこの金額より多くなります。

またここでの金額は健康保険適用前の金額なので、窓口で支払う場合には、この金額の1割~3割の金額を支払うことになります。

内視鏡検査

胃カメラや大腸カメラに代表されるカメラというのは、ビデオスコープ・内視鏡・ファイバースコープとも呼ばれています。

検査をするためにはカメラとともにモニターやビデオデッキのような装置が必要になります。

ビデオスコープの場合、最新鋭のものから型落ちまで使えますが、医療の質としては最新鋭のもののほうが、よりよい検査ができます。

当然、機器価格も最新鋭のものは高くなりますが、検査の金額は機器が新しくても古くても変わりません。

なので、検査を受けるほうの立場とすると、少しでも新しい機器をいれている病院で検査することが良いと言うことになります。

町医者やクリニックに行くよりは専門病院の機器のほうが新しいものでできる可能性は高いと思います。

どうせ検査を受けるなら新しい機器でやったほうがいいですね。
新しい機器は病院にとっては負担になる反面、質の高い検査が提供できます。

胃カメラ

内視鏡:1本 300~550万円
検査金額 11,400円(患者負担は、このうち1割~3割)

1本あたり300万円以上します。

胃カメラは消化管の内視鏡では比較的安いカメラです。

口から入れて、咽頭→食道→胃→十二指腸と順番にカメラを挿入していきます。

とても苦しいイメージがある人もいるでしょうが、最近では眠る薬(鎮静剤)を使って検査をしてくれるところも増えてきました。

大きくない”がん”内視鏡治療で取り除くこともできます。

出典:中外製薬

大腸カメラ

内視鏡:1本 360~570万円
検査金額:9,000~15,500円(患者負担は、このうち1割~3割)

特に女性の方は嫌がるでしょうが、大腸カメラは肛門から入れていきます。

大腸の長さは約1.5M。

なので大腸カメラは胃カメラよりも長くなっています。

検査金額が9,000から15,500円となっているのは、到達した部位によって3段階に金額が分かれているためです。

大腸の場合、検査の際にポリープを切除するケースもあるので、その際には価格が上がります。

ポリープで切除して、そのポリープが”がん”である場合もありますが、カメラで切除できれば治療はそこで終了です。

また、カメラを入れる前には下剤を飲んで便を出し切ってしまう必要があります。

便が残ってしまうと良い検査・処置ができなくなってしまいます。

出典:中外製薬

内視鏡で”がん”が取れるのは医療技術が発展したおかげ。
小さいの”がん”なら内視鏡でも取れるのです。
ポリープは初めは良性でも癌化することがあります。

小腸カメラ

内視鏡:1本 500~600万円
検査金額:68,000円(患者負担は、このうち1割~3割)

小腸カメラの入り口は大腸カメラと同じく肛門から挿入します。

小腸(空腸+回腸)は消化管の中でも一番長く約6mあります。

入り口の肛門から小腸の端までは約7.5mの距離があるので、胃カメラや大腸カメラと違って、カメラの途中に風船のようなものがついています。

この風船に空気を入れたり抜いたりしながら、内視鏡を押し進め、芋虫のように奥まで進んで観察するのが小腸カメラです。

出典:中外製薬

気管支カメラ

内視鏡:1本 400~500万円
検査金額:25,000円(患者負担は、このうち1割~3割)

胃カメラ同様、口から入れていきます。

胃カメラの場合、喉から食道へと進みますが、気管支カメラの場合は喉から気管支へと進んでいきます。

普段、呼吸をしている道をカメラが通るのですから、麻酔(鎮静剤)なしでは、メチャクチャ苦しい・・らしいです。

終点は肺の中を通っている気管支です。

出典:中外製薬

内視鏡ユニット

1組 400~600万円

ここまで紹介してきたカメラは、いずれもカメラだけでは検査ができません。

検査をするためには内視鏡ユニット(モニター・ビデオシステム・光源装置・画像記録装置などと呼ばれるものが必要になってきます。

このシステムで画像化したり、画像の記録などを行います。

特殊な光を当てて、がん特有の画像を生成することもあります。

出典:おなかの健康ドットコム

検査機器の保守料

ここまで見てもらったとおり、検査機器の値段というのはかなり高額になっています。

病院経営の視点からみると検査機器だけで済めば良いのですが、多くの検査機器で保守契約を結びます。

検査機器が故障したり、不具合が発生した場合に、修理してもらうために保守契約を結ぶのですが、これが実はとても高いのです。

メーカーサイドはこの保守料で利益の大半を得ているという話もあります。

保守料の方が高くなるケースもあります。
精度の高い検査には保守はかかせません。

血液だけでの結構わかる

高額の検査機器では、病気がどこにあるのか、どのくらいの大きさなのかを知ることができます。

異常があった場合は手術に発展することもあるので非常に有効的です。

でも、検査を受けるためには、まず病院に行かないといけません。また時間が取りにくいという人もいるでしょう。

そんな人には、自宅でできる血液検査サービスがあります。

関連記事:【自宅で血液検査ができる!】がんの腫瘍マーカーから生活習慣病まで!

関連記事:「おうちでドック」がん・ピロリ菌・認知症の検査が簡単に!

最近、色々なサービスが出てきましたが、健康のためにはとても良いことだと思います。

何もしないより、何かの検査をしておいたほうが安心できるし、早期発見・早期治療につがなります。

でも「自宅での血液検査」で異常が見つかった場合は、検査機器での検査が必須になることも多いので、必ず受診しましょう。

まとめ

病院での検査代は検査機器に大きなコストがかかっているため、患者さんにとっては高く感じるかもしれません。

でも一方で、病院はあまりもうかりません。利益率が非常に低い業態です。

最近では、感染症にかかってしまうリスクや訴訟リスクが高まっている中、大変な業界だと感じています。

検査機器を購入するための初期費用や修理などに対応するための保守費用が高くなっています。

患者さんにとっては高く感じる検査代ですが、病院にとっても違う意味で高く感じる代物です。

でも検査機器は、早期発見・早期治療のためには必須のアイテムです。

検査は早めが一番。
早期発見・早期治療は長生きの基本です。

病院での検査はお財布に厳しいかもしれませんが、病院が大きく儲かっていることはありませんので、そこをご理解の上、検査を受けると少しは納得がいくかもしれません。

医療現場に身をおいていると実際に儲かっているのは医療機器メーカーや医薬品メーカーのような気がしてなりません。

ここで紹介した価格は実際に私が経験した価格をもとに書いています。

病院によっては、もっと高く買ってしまっているところや、安く買っているところもあるということはご了承ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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